弁護士・中小企業診断士の谷田が,中小企業の皆さんを法律・経営両面で支援します。

industrial dispute

 近時,労働者との紛争に悩まされる中小企業が急増しています。
 会社と労働者の間に発生するトラブルや解決方法は数多くありますが,ここでは代表的なトラブルの予防策と解決手続についてご説明します。
 といっても,以下の記事はあくまで労使紛争の一部について一般論を述べたものでしかありません。詳しくは個別にご相談下さい。

就業規則の作成・見直し(予防策)

 会社設立の時に慌てて作った就業規則(あるいはネット上に落ちている就業規則案)をそのままにしていませんか?

 労働者にとって有利な取り決めが就業規則に含まれていた場合、たとえ個々の労働契約でそれと異なる取り決めをしていたとしても、就業規則の方が優先してしまいます。

 そのため,労働契約の内容をどんなに工夫しても,就業規則に不用意な記載があるとそちらが優先してしまい,会社側が思わぬ不利益を受けることがあります。
 これは契約書についてもいえることですが,ネット上に落ちている就業規則案はあくまで最大公約数的な内容に過ぎず,会社ごとの実態に沿ったものにはなっていません。
 会社と従業員との間にトラブル(特に,後述の「解雇」「賃金未払」関係)が発生したときに,少しでも勝率を上げるには,弁護士が会社の実態を綿密にヒアリングした上で就業規則案を練り上げることが不可欠です。
 谷田に就業規則の新規作成やチェックをご依頼頂いた場合の費用はこちら。

従業員の解雇について(予防策)

従業員の解雇について(予防策)のイメージ画像

 我が国では,労働者の地位が過剰なまでに保護されています。勤務成績が極端に不良な従業員や,不祥事を起こした従業員も,そう簡単に解雇できるものではありません。後日の裁判で解雇が無効とされると,会社側は甚大なダメージを受けることもあり,できれば解雇は避けるべきです。
 しかしながら,他の従業員の士気などを考えると,どうしても解雇に踏み切らないといけない場面というのは存在します。
 労働者が,解雇の無効を主張して後述する手続(労働審判や訴訟)を起こしてきた場合に,少しでも勝訴の確率を上げる(あるいは,仮に無効とされた場合の損失を抑える)ために,就業規則の見直しや懲戒処分のあり方,証拠の残し方等をご提案致します。

未払賃金請求について(予防策)

 従業員が,残業代等を払うよう請求してくることがあります。
 もちろん,従業員が所定の労働時間を超えて働いたのであれば,決められた残業代を払わねばなりませんが,そもそも労働時間に当たるのかどうか判断が微妙な事案もあります。
 ひどいケースになると,従業員が結託して口裏を合わせ,実際には働いてもいない時間帯についてまで残業代の請求をしてくることもあります。
 こういった請求に対しては,事前に労働時間の証拠化を図ることである程度対抗することができます(「労働時間の証拠化」とは,タイムカードの導入だけではありません)。個々の会社の労働のあり方に応じて,労働時間の証拠化をご提案致します。

労働審判(解決手続)

 労使紛争を解決する手段として「労働審判」があります。
 労使いずれか(ほとんどは労働者側)が,解雇の効力を争ったり,未払賃金を請求するために地方裁判所に申立を行い,当事者双方が言い分や証拠を提出して争う,という点は通常の訴訟と共通です。しかし,「原則3回の期日で終了する」「当事者からの聞き取りに重点が置かれる」という点が大きく異なります。また,短期決着を目指す手続ということもあり,和解による解決が強く勧められるのも特徴です。
 一言で言えば,「理詰めの訴訟」と「話し合いの調停」をミックスしたような手続です。

 労働審判を起こされると,裁判所から「労働審判を起こされたので,反論のため答弁書を出して下さい。」という内容の通知が届きます。通常の訴訟であれば,必ずしも第1回期日までに会社側の言い分を固める必要は無いのですが,労働審判では第1回期日の1週間前に会社側の主張を網羅した答弁書を提出することが求められます。そのため,労働審判を起こされたらすぐに弁護士に相談して頂くことが重要です。

 なお,3回の期日で和解が成立しなければ,裁判所側が「審判」という形で一定の結論を出して終了します。(「会社は労働者に○○円払え」や「労働者が会社に対し、雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する」といった内容です。)
 審判に対していずれの当事者も不服申立をしなければ,その「審判」は確定し,当事者いずれもその内容に従うことになります。
 いずれかの当事者が異議申立をすると,労働審判は失効し,通常の訴訟に移行することになります。通常の訴訟に移行した場合につきましては,下の「訴訟」の項をご参照下さい。

※ご注意!

 ここまで読まれると「負けても,異議申立をすれば通常の訴訟に移行するのか。それなら,労働審判は手を抜いてもいいんじゃないの?まずい審判を出されたら,異議申立をして通常訴訟の方で頑張ればいいような気が・・・。」と思われた会社側の方もおられるかも知れません。
 確かに,異議を申し立てれば労働審判は失効しますが,その審判内容は移行後の訴訟を担当する裁判官もある程度尊重する傾向にあります。ですので,労働審判こそきちんとした反論・立証をして,後で訴訟に移行しても不利にならないようにする必要があります。
 なお,労働審判段階で反論や立証を尽くしておけば,その後訴訟に移行してもその反論・立証の大半は流用できます。また,次の「訴訟」でも述べますように,労働審判の段階から谷田に依頼して頂きますと,その後の訴訟についての弁護士費用を減額させて頂いております。こういった点からも,労働審判の段階から弁護士に依頼なさることをお勧めします。


 労働審判手続において,会社側の代理を谷田に依頼される場合の費用はこちら。

訴訟(解決手続)

 労使紛争について話し合いで決着がつかなかったり,労働審判の結果に納得のいかない当事者が異議申し立てをしたら,訴訟に移行します。
 テーマは様々で,労働審判でしばしば扱われる「解雇無効確認」「未払賃金請求」や,逆に労働審判には馴染まないとされる「パワハラ」「セクハラ」等多岐にわたります。
 労働審判と異なり,「主張・証拠をじっくり出し合って真実を解明する」手続ということもあってか,解決が長引く傾向にあります。(最低半年,複雑な事案ですと数年)。

<弁護士に依頼することの重要性>

 労働審判もそうですが,特に訴訟は代理人弁護士抜きで対応することは極めて困難です。訴訟対応を一つ間違っただけで不利な展開に陥ることもありますし,当事者の尋問手続は代理人がついていないと支障をきたす仕組みになっています。
 また,仮に訴訟対応を会社ご自身でなさるとなると,会社代表者の方が毎回の裁判期日ごとに裁判所へ出頭する必要がありますが,このようなことをしていては本業の経営まで傾きかねません。他方,弁護士を付けてしまえば,毎回の裁判は弁護士が代わりに出頭します。訴訟準備のため弁護士との打ち合わせをお願いすることはありますが,その点は会社のご都合に合わせて柔軟なご対応が可能です。
 労働者から訴訟を起こされたら,速やかに弁護士にご相談下さい。
 訴訟手続において,会社側の代理を谷田に依頼される場合の費用はこちら。

関連記事(労使紛争について)

 トップページのブログコーナーにて,労使紛争をテーマに集中連載を行いました。
 そのときの記事のリンクを以下にまとめました。参考にして頂けますと幸いです。

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中小企業の労務管理 ~よくある問題点3~
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