弁護士・中小企業診断士の谷田が,中小企業の皆さんを法律・経営両面で支援します。

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詐欺通販サイトに注意!

2019年07月29日

 今回は,詐欺通販サイトについての注意です。
 どちらかというと消費者向けのテーマなのですが,事業者様も通販サイトを活用することもあるかと思い,注意喚起のため触れさせて頂くことにしました。

 今や,ネット通販は一般個人・事業者どちらにとっても不可欠なものになっています。
 一般個人は本や生活用品を,事業者は什器備品類を,ネット通販で買うのがもはや当たり前になっているでしょう。谷田自身,法律関係の書籍はほとんどが通販で購入しています。(というか,宮崎県内では法律関係の本が本屋にあまり並んでいないという切実な事情もありまして・・・なるべく地元にお金を落としたいのですが。)

 一昔前は,通販というと結構怪しげなイメージもあったのですが,今は「ポチる」という言葉があるように,皆さんとても気軽にネット通販を利用するになりました。そこにつけこんだ詐欺サイトが最近横行しています。

 手口はとてもシンプルで,大手の通販サイトにそっくりな見た目のサイトを作って,銀行振込で商品代金を送金させる(そして,商品は送ってこない)というものです。
 たいてい,「特別セール」と銘打って商品価格は激安に設定されています。(そりゃ,最初から商品を送る気が無いわけですから,いくらでも安く設定できますよね。)
 そのため,ひっかかる方も多いようです。

 この手の詐欺サイトは,「日本語が怪しい」「振込先が個人名義」という特徴があります。また,通販サイトは,特定商取引法上明示しないといけない事項がいくつかあるのですが,詐欺サイトはこの点もいい加減です。
http://www.no-trouble.go.jp/what/mailorder/
(↑通販サイトで明示しないといけない事項はこちらのリンク先参照。ちなみに,真面目な通販サイトはこれらの事項をきちんと載せています。)

 これらの点に気をつければ,まず詐欺通販サイトに引っかかることは避けられるでしょうから,くれぐれもお気をつけ下さい

 仮に引っかかってしまった場合は,速やかに地元県警のサイバー犯罪対策課に申告すれば,割とスムーズに送金先口座を凍結してもらえます。その後,犯罪被害者への配当という形でいくらかお金が返ってくるのですが,実際は数%しか戻ってきません

 詐欺グループはこまめに口座からお金を下ろしているため,せっかく口座を凍結してもらってもほとんど残高がないのです。そのわずかばかりの凍結残高を,多数の被害者で分け合うことになるので,どうしても回収率は低くなってしまいます。
 結局,この手の詐欺サイトには「最初から引っかからないのが一番」ということになります。

 特に,前回ご紹介した「悪質求人広告サイト」の件では,悪質業者の支払を断る(=防御に徹する)だけで良かったのに対し,今回ご紹介した「悪質通販サイト」は,払ってしまった金を取り返さないといけない(=こちらから攻め込む),という違いがあります。

 どちらも悪質業者と戦うことには変わりないのですが,被害企業様にとっては「戦いやすさ」が全然違うわけです。(当然,今回ご紹介した悪質通販サイトの方がずっと大変です。というか,全額取り返しはまず無理ですし。)

 ネットが発達して世の中が便利になりましたが,そこにつけこんだ詐欺や悪質商法が横行するようになった現在では,各利用者がきちんと自衛しないといけません。気をつけましょう。