(前回「契約書の代わり1」の続きです。)
2,電子メール
また,最近ではメールでのやりとりも証拠として有効に機能します。
「商品の発注数・単価・納期・引き取り場所・代金支払時期」等,様々な契約条件を盛り込んでメールを送受信します。そして,メールのやりとりから「両方が,最終的にこういう取引内容で合意したんだな」ということが確認できれば,契約書代わりになるわけです。
ただ,あくまで私見ではありますが・・・相手方がフリーメールを用いているときは,ちょっと注意が必要かなと思います。
相手方に「このアドレスは自分のものではない。身に覚えがない。」と言い張られてしまうと,そのアドレスが相手自身のものであることを証明しないといけなくなりますが,この証明は結構骨が折れます。
それまでに,その相手と何度かメール送受信をしたことがあり,過去のメール内容から「明らかにこのメールアドレスはA社の担当者のものだよね。A社の内部者でないと分からないこともメールで書いているし。」といったことが読み取れれば,この点はクリアできるのですが・・・過去に送受信したメールの内容を整理するだけでも一苦労です。
ましてや,単発の取引相手ですと,こういった「過去のメールの積み重ね」で相手を特定することができない恐れもあります。
このように,「メールの送信主体が誰なのか」で揉めるリスクを避けるためには,できれば独自ドメインのアドレスを持った相手とメールのやりとりをしたいものです。
例えば,当事務所の弁護士・スタッフは皆
???@tanida-lawyer.jp
というアドレスを用いています。
@tanida-lawyer.jpを含むメールアドレスは,当事務所のメンバーしか持てないので,「ああ,このアドレスなら,間違いなく谷田経営法律事務所のメンバーなんだな」という確信が持てます。誰のメールアドレスなのかを巡って揉める可能性がグンと減るわけですね。