弁護士・中小企業診断士の谷田が,中小企業の皆さんを法律・経営両面で支援します。

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中小企業と不動産2

2018年08月13日

(前回「中小企業と不動産1」の続きです)
 
 また,保有するべく不動産を購入するというのであれば,売買契約の内容に気をつけなくてはいけません。
 特に,事業者同士の不動産売買契約となりますと,「瑕疵担保免除特約(=買った不動産に後で欠陥が見つかっても文句を言わない,という条項)」も有効になってしまいます。契約書をよく読まずに押印してしまいますと,こういった不利な条項に後々足を引っ張られることもあります。
 また,契約内容以前に,買おうとしている不動産に不利益な登記(抵当権,賃借権,仮登記等)がついているというケースもあります。こういったケースで手当もなしに契約をしてしまいますと,「きちんとお金を出して不動産を買ったと思ったら,不利な登記が残っていた」「その登記を消すのは容易ではなく,転売できない不動産をずっと保有するハメになった」という事態に陥ります
 不動産の登記を正確に読み解ける経営者の方は案外少なく,こういった不本意な不動産をつかんでしまうケースは頻繁に見かけます。

 以上は,不動産を自社で利用する場合の問題ですが,逆に「自社が保有する物件を,他人に貸して賃料を得る」という場面もあるでしょう。このように,不動産を貸す側の立場になる場合,前述した借地借家法が大きな足かせになります
 「周りに迷惑をかける借主であってもそう簡単には追い出せない」というのは結構知られていますが,その他,あまり深く考えずに定型的な契約書ひな形を使ってしまいますと「賃貸借契約書に書いてある契約期間が満了しても,出て行ってもらえなくなる。」「仮に出て行ってもらうとなると,高額の立ち退き料を請求される。」といった,家主からすればとても理不尽な思いをすることになります。
 そのため,借りる場面以上に慎重になる必要があるのです。

 どうでしょうか。
 内容面にまで踏み込んではいませんが,それでも「中小企業にとって不動産問題は不可避」ということが分かって頂けたのではないでしょうか。
 特に,不動産問題は,契約締結時点での予防・準備でその後の顛末が大きく変わるという性質を持っています。(というか,契約後にいくら頑張ってもほとんど事態は変えられません。)
 そのため,契約締結前の段階で弁護士に相談をする意義は大変大きいのです。不動産が絡む契約をする前に,ひとまず弁護士に相談してみる,という癖をつけて頂けると,事業上のリスクはグンと減らせますので,お気軽にご相談下さい。