弁護士・中小企業診断士の谷田が,中小企業の皆さんを法律・経営両面で支援します。

blog

契約書について(弁護士の関わり方・立場)

2018年07月02日

(前回「弁護士に相談するタイミング」の続きです)

3,弁護士の立場

 (中小企業支援にあたられる公的機関の方や,他士業の方はお読み
頂けると幸いです。逆に,経営者の方は読み飛ばして頂いて構いません。)
 契約書チェックに限らず,弁護士業務全般に言えることではありますが・・・弁護士は基本的に「仲介」「中立的な立場で支援」ということができません
 契約にしてもトラブルにしても,どちらか一方から依頼を受けて,
その依頼者が有利になるように全力を尽くすという職業です。ぶっちゃけて言えば,弁護士は「正義の味方」ではなく「依頼者の味方」なのです。意外に思われるかも知れませんが,弁護士が「契約の両当事者の仲介・仲裁」をやってしまうと,懲戒処分を受けてしまいます
 そのため,契約書作成・チェックについても「どちらの味方をしたらいいのか
」がはっきりしないと,身動きが取れないのです。

 例えば,公的機関の経営指導員の方から「AさんとBさんが今回こ
ういう契約をすることになったので,契約書を中立的な立場で作って欲しいorチェックして欲しい。」と頼まれることがあります。
 ですが,前述した弁護士の職業柄,契約実務の場面でも「どうすれ
ば依頼者が得をするのか」を真っ先に考えることになります。
例えば・・・
「納品遅延時の損害賠償条項は,Aさんにとって不利だから削除し
た方がいいか」
「発注書がAさんに届いた時点で売買契約が成立するとなると,在
庫切れを起こしている場合にAさんが思わぬ損害賠償を負う可能性がある。契約成立時期は,Aさんが受注の回答をした時点とした方がいいだろう」
「裁判管轄は,Aさんの本社所在地に固定した方が,裁判費用を抑
えられるのでは」
等,どうすれば一方当事者(=この場合Aさん)に有利になるかを
考え,法律知識やノウハウを提供するわけです。
 弁護士としての取り組み方がこのようなものである以上,「中立的
な立場でお願いします」と言われても何もできないのです。

 経営者の皆さんは,あまり「事業者間の契約を仲介して,その契約
書について弁護士に相談する」ということはあまりないとは思いますが,以上のような「弁護士の立場・仕事の仕方」は頭の片隅に置いておいて頂けますと幸いです。