弁護士・中小企業診断士の谷田が,中小企業の皆さんを法律・経営両面で支援します。

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契約書と弁護士3(弁護士に相談するタイミング)

2018年06月18日

(前回「契約書と弁護士2(法的拘束力)」の続きです)

2,弁護士に相談するタイミング
 たまに,押印した後の契約書を持って「この契約書をチェックして
欲しい」と相談に来られる方がおられます。
 ですが,先にお話ししたように,押印した時点で契約書の拘束力は発生してしまい,相手が応じない限り契約書の内容は変更できませ
 ですので,押印後に契約書のチェックに来られても,弁護士として
は「いやー社長。この条項はこういう不利益があるんですよ。大変ですね。」としか助言が出来ないのです。(それはそれで,契約にどういうリスクが埋まっているのかがはっきりわかるわけですから,無意味ではないのですが・・・)

 また,同様の理由で,「契約相手と既に協議が終わっていて,後は
押印するだけ」「契約内容は固まっているのでもう変更がきかない」という段階で契約書チェックを弁護士に依頼しても,あまり意味がありません。せいぜい,誤字脱字の修正や,条項間の矛盾を指摘するくらいしかできないのです。
 せっかく契約書チェックに弁護士を活用するのであれば,内容面の
修正がきく交渉段階で相談して頂き,少しでも自社に有利な契約・不利にならない契約をしたいところです。
 こういった弁護士の活用法を心がけるとなると,スピーディな相談が不可欠となります。いざ契約書を取り交わす段になってから弁護士を探しても間に合いませんので,やはり普段からかかりつけの弁護士を作っておきたいところです。