では,契約書について弁護士をうまく活用するには,どういったことを心がけておけば良いのでしょうか。
まずは,基本的な前提から順番に確認をしていきます。
1,契約書に押印すると,法的な拘束力が生じる
「当たり前じゃないか」「小学生じゃあるまいし・・・」と言われそうですが,この「法的拘束力が生じる」覚悟無しに軽々しく押印してしまう経営者の方は少なからずおられます。
どうしてこんな不利な契約書に押印をしたのか,と弁護士が聞くと
A「相手があまりにしつこいので押印してやった。後でごねれば何
B「分量が多いし,難しい言い回しばっかりだったのでよく読んで
C「契約書に『契約で揉めたら,甲乙誠実に協議して解決する』と
さて,Aについてですが・・・
商売をしていない一般消費者であれば,消費者契約法等の保護が受
ですが,このコラムをお読みの事業者の皆さんには,こういった消
このように説明をすると,「でも,本当にしつこく押印を迫ってき
普通に考えても,軽くごねただけでひっくり返るようなら,契約書
Bも同じようなもので,「契約書をよく読んでいなかったので無効
裁判官は,基本的に「商売をやっている人は,契約書をきちんと読
そういうわけで,経営者の方は,「押印=契約書に書いてあるとお
Cについても触れますと,確かに多くの契約書には「甲乙誠実に協
ですが,この「誠実協議条項」に,法的な意味はありません。
この条項がなくても誠実に協議しあうことはできますし,逆にこの
以上のように,事業者が契約書に押印するということは,その契約
事業を営んでいると様々な契約書に押印する
もちろん,力関係で不利益な契約内容を飲まざるを得ない場面はあ
同じ不利益な契約に拘束されるにしても,ちゃんと内容を理解した