弁護士・中小企業診断士の谷田が,中小企業の皆さんを法律・経営両面で支援します。

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中小企業のための新個人情報保護法1

2017年05月22日

 今回から数回かけて,個人情報保護法の改正について解説をします。
 とはいえ,中小企業に本当に必要な情報に絞ってお話をしますので,網羅的な情報をお求めの方には向きません。この点はご了承願います。

 なお,検索エンジンに「個人情報保護法」と打ち込んで調べる方が多いかと思いますが,検索で一番上に来るであろう以下のサイトは,最新の内容になっていません。(平成29年5月24日時点)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H15/H15HO057.html
 最新の条文を確認する際は,以下のリンク先のものを参照されることをお勧めします。
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/290530_personal_law.pdf

 また,個人情報保護委員会の事業者向けFAQも,少なくとも
本日時点では「改正前の条文番号」「改正後の条文番号」が混在しており,混乱を招く記載になっています。(この辺は委員会側ももっと気を遣って欲しいところです・・・)
https://www.ppc.go.jp/personal/faq/jigyosha/
 対応に困ったときに公的機関のサイトを参照することが多いかと思いますが,上記コンテンツを参照するときはその点もご注意下さい。

 さて,ようやく本題に入ります。
 平成27年9月に個人情報保護法が大幅に改正され,今年5月30日に改正法が全面施行されます。
 個人情報保護法は平成15年に制定されましたが,その後目立った改正はありませんでしたので,今回の改正が実質初の改正といえるでしょう。
 とはいえ,今回の法改正は地方の中小企業には無関係の点が多いのです。中小企業は,むしろ改正前から存在した規制をきっちり押さえる方が重要です。

 どういうことかと言いますと・・・今回の改正は,ざっくり分けて

①「要配慮個人情報」「匿名加工情報」等について,新しい規制が設けられた。(=規制内容の追加)
②これまで一部の事業者しか個人情報の規制を受けなかったが,今後は全事業者が規制を受ける(=規制対象事業者の追加)

という2点に整理できます。
 ですが,①の新しい規制は,後でお話ししますように,はっきりいって中小企業にはほとんど関係ありません。(病院が影響を受けるかな,というくらいです)
 むしろ,改正前からある規制が,今回の改正で全ての中小企業に適用されるようになった,という②の方がずっと重要です。
 ですので,中小企業がやるべき対策は,新しい規制を知ることではなく,改正前からある規制をおさらいすること,ということになるわけです。以上を念頭に,次回から個人情報保護法改正について説明していきます。