弁護士・中小企業診断士の谷田が,中小企業の皆さんを法律・経営両面で支援します。

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マイナンバー制度2~どういう場面で出てくるの?~

2015年08月19日

 前回「マイナンバー制度1~制度を知る必要性~」では,中小企業こそマイナンバー制について知る必要がある,ということを書かせていただきました。
 今回は,マイナンバー制度がそもそもどういう場面で登場するのか,というところから始めたいと思います。(施行まで時間がありませんので,更新のスピードを上げていきます!)

 これまで,社会保障や納税はバラバラの番号で管理されていましたが,これを同じ番号に揃えてしまおうというものです。
 そして,従業員個人から税を源泉徴収をしたり,従業員個人のために社会保険に加入したりする事業者(要するに,ほぼ全ての中小企業)は,必要な限りで従業員からこの番号(=「マイナンバー」)を教えてもらって管理します。社会保険の加入手続等,必要な手続の際は,企業が従業員から教えてもらったマイナンバーを使用することになります。

 ところで・・・誤解されがちな点ですが,「国の制度を何でもかんでも同じ番号で管理しよう」というものではありません。現時点では,マイナンバー法(正式名称:行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律,長ったらしいので「マイナンバー法」と略します。)第9条3項に書いてある事務に限定されています。めぼしいところでは「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」「労災保険」関係の手続や,源泉徴収額を明らかにする支払調書発行などです。
※ (8月31日追記)基礎年金番号とマイナンバーの連結は,この度の制度発足当初は見送られることになりました。

 今後,マイナンバーを利用する手続は増えていくと思われますが,いずれにしても「マイナンバーは,マイナンバー法9条に明記された範囲でしか利用されることはない」ということは押さえておきましょう。
 
 また,元々行政手続の簡略化という目的で導入されているため,各企業の経営に活用することは想定されていません(というか,禁止されています。)「従業員リストの通し番号に使おう」「顧客リストの整理に使おう」といったのはNG,というわけです。

 さて,マイナンバーの利用場面がわかったところで,次回は「マイナンバー制度での禁止事項」「罰則」という,少々おっかないテーマについてご説明します。