弁護士・中小企業診断士の谷田が,中小企業の皆さんを法律・経営両面で支援します。

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サービスの可視化

2015年07月16日

 このところ、コラムのテーマが「弁護士ネタ」に偏っていますので、たまには中小企業診断士らしい「経営ネタ」で書いてみようかと思います。
 今回は、当事務所自身、特に意識をしている「サービスの可視化」についてお話をします。

 事業者の方が提供する「売り物」は、大きく分けて「商品」と「役務(=サービス)」があります。「通販で注文したものを運んでもらう運送サービス」とか,「習い事のような教育サービス」等,日常生活の中でお金を払ってサービスを受けることはもはや当たり前になっています。
 そして、この「サービス」は、実体のある「商品」と違った工夫がいくつか必要になります。
 よく言われることとしては
 「サービスを提供するスタッフごとに品質が上下するようではいけない。ある程度マニュアル化して品質を均一化しましょう。」
 「商品と違って、サービスは在庫ストックができない。なので、繁忙期の需要を閑散期に移せるような工夫をしましょう。」
というのがありますが、特に谷田が重視しているのは
 「サービスは目に見えない。なので、少しでもお客様にイメージを掴んでもらえるように工夫をしましょう。」
という「サービスの可視化」の視点です。

 「サービスの可視化」の方法は,業種によりけりですが「図解化できるものは図解化する」「サービスのメリットや他のお客様の感想などをきっちり紹介する」等、様々な工夫があり得ます。
 要は「その業界に詳しくないお客様に、自社のサービスの良さを分かってもらう」「お客様がわからないor不安に感じるポイントを正確につかんでフォローする」ということを念頭に置いて、サービスの紹介方法を工夫していくわけです。

 そして、この取り組みは、業界外部の素人に意見を聞くことが不可欠です。
 業界内部の玄人ですと、「こんなこと、わざわざ説明しなくてもお客は分かってくれるだろう。これくらい当たり前のことだしなあ。」という感じで、素人のお客様が知りたい肝心なサービス内容の説明・紹介をはしょってしまい、「サービスの可視化」に失敗することが多いような気がします。
 業界の素人に「こういうサービスを売り出そうと考えているんだけど、どう思う?」「このサービスのどういうところに不安を感じる?」といった質問をたくさんぶつけて、一般のお客さんがそのサービスをどう受け止めるのか、どういうところに不安を感じるのかを調べながら、売りだそうとするサービスをお客様に分かってもらえるような紹介方法を考えていきましょう。

 そういう意味では、中小企業のお客様が売りだそうとするサービスの可視化の取り組みは、谷田でもお役にたてると思います。そのサービスについて谷田は素人であるからこそ、「一般のお客様への紹介の仕方」を一緒に考えていけるというわけですね。
 「うちのサービス、内容には自信があるんだけどお客さんがあんまり来ない。なぜだろう?」とお悩みの中小企業様がおられましたら、中小企業診断士としてご相談に乗りますので、遠慮なくお声かけください。
 他の業者が手を付けていない新しいサービスは,お客さんに浸透するのに工夫がいる反面,ひとたび浸透すれば大ヒットする可能性もありますので,何もしないのはもったいないです。

 ところで、サービス業の最たるものである「弁護士業界」では、この「サービスの可視化」はどの程度進んでいるのでしょうか?
 次回は、「サービスの可視化~では、弁護士業界は?~」というお題でコラムを書いてみようと思います。